梅の大辞典
梅ことば
梅ことば
塩梅(あんばい)
料理の味加減のことです。 食酢がまだなかった頃、梅酢を調味料として使っていました。塩と梅酢の味加減が丁度良いことを意味しました。「按排」(あんばい)という言葉が持っている、そつなくこなしたり具合よく並べるという意味が、塩梅の持つ意味にそっくりのため、同じような使い方をされるようになりました。
梅はその日の難のがれ
昔、旅人が熱病や風土病から身を守るため、梅干しを薬として携帯しており、朝に梅干しを食べると、その日は災いをまぬがれて気持よく過ごせると言われていました。旅館などで、朝食に梅干が出されるのは、この説に由来しています。
梅に鶯(うぐいす)
取り合わせが良い2つのものや、美しく調和し絵になるものという意味です。また、仲が良い関係に使う言葉です。
梅は食うとも核(さね)くうな中に天神寝てござる
「核」は、生梅の種のことで、毒があるから食べてはいけないという戒めの言葉です。(梅が完熟するとこの毒性は解消します。)梅の種の中にある核(かく)のことを天神様といいます。
これは学問の神様として知られている菅原道真(俗に天神様といわれる)が、梅を大事にしたという故事からきています。
生梅の種をたくさん食べると危ないですが、梅干しにした梅の核は毒性も消えており、好きで味わう方もいます。
梅干しは三毒を断つ
三毒とは「水毒」「食毒」「血毒」のことを意味していて、「水毒」は体内の水分の汚れのこと、
「食毒」は暴飲暴食や不規則な食事など、食生活から体内のバランスが乱れた状態、
「血毒」は血液の汚れのことです。
梅を食べることで、毒を消し、体の様々な機能を改善することが、健康を保つことにつながります。
梅は百花の魁(うめはひゃっかのさきがけ)
梅はその年のどの花よりも先頭を切って咲く花であるという意味。また、優れた人物などが輩出する時、先陣をなすもののたとえをいう。
桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿
余計なことをすると駄目、必要なことをしないのも駄目という意味です。桜は次の年も古枝に花が咲くので枝を残し、梅は剪定をしないとむだな枝がついてしまうので切ったほうがよいとされることからこう言われています。
梅一輪一輪ずつの暖かさ
服部嵐雪が詠んだ俳句です。梅の花が一輪また一輪と咲くにつれて、だんだん少しずつ暖かくなり春めいてくるという意味。